インタビュー

新規事業企画で畜産業の経営改善を後押しし、畜産物の食料安全保障の確立に貢献したい。

在学生

船津 祥一郎

FUNATSU SHOICHIRO

京都大学大学院農学研究科を修了後、都市ガス会社に入社。その後、より専門性に近い食農産業に広く関わることを目的として国家公務員総合職に転職。現在はIT企業にて食農分野の新規事業を担う業務に従事。

イノベーター養成アカデミーを選んだ理由

食農分野に特化した講師陣・会員とのリレーションにはプライスレスの価値がある。

元々、大学院で農学分野を専攻しており、これまでの経歴を通じて研究・生産・製造・政策など様々な局面から食農産業に関わる仕事をしてきました。より一層主体的に食農事業に最前線で携われる仕事がしたいと思い、新規事業を興すうえでITは不可欠な要素と考えたことから、食農分野の新規事業を担うことができるIT企業に転職。
私自身が新規事業に携わった経験はなかったため、以下の内容を学び、一気通貫で食農ビジネスを推進できる力を身につけようと思い、イノベーター養成アカデミーに出願しました。
  1. グローバルと国内の市場理解
  2. 新規事業アイデアの着想・思考
  3. ニーズ強度を探るための市場調査と分析手法
  4. 市場分析結果を企画に反映していく実践的な考え方
  5. 商流全体を見通すパートナー戦略
  6. 収益性確保
  7. 価値創造の源泉
  8. 競合出現時の差別化ポイント
  9. グロース戦略や連鎖ビジネスの発想
  10. 効果的な広報戦略
  11. 顧客開拓のノウハウ
  12. 事業を長期継続するための経営
本アカデミーでは、着想から実行計画の立案までに主軸が置かれているので修了までにこの全てを習得できるかは分かりませんが、「食農分野に特化した網羅的な講義と豪華な講師陣」「修了までの伴走支援体制」「食農分野の会員との豊富なリレーションを紹介いただけること」は非常に魅力的で、講師陣及び会員とのリレーションにはプライスレスの価値があると思っています。食農業界における川上から川下まで、幅広いリレーションを形成できている教育組織は他にない。修了後の業界との連携にも期待しています。

本アカデミーでの学びについて

講義で得られるものは知識だけでなく、それぞれの専門性をもつ講師陣との繋がり。

イノベーション領域では、アントレプレナーシップや思考のフレームワーク、顧客理解などディスカッションを交えた講義を通じて学びを得ており、アグリビジネス領域では法令や政策、市場環境、社会技術トレンドといった業界の全体理解をはじめ、リスク管理、食品衛生、食農の商流など、もう少し踏み込んだテーマも選択履修して学べています。
講義は基本的に90分2コマ程度で完結するため、内容が概念的になっていることはありますが、事務局を通じての深堀質問もできるうえ、外部コーチの制度を用いて後日しっかり話を伺うこともできることから、多様な専門性をもつ講師陣がいることは大変心強く思います。
また土日に受講生と講師が対面で向き合う集合研修は印象的です。ほかの受講生と悩みを共有しながら一緒に進められている心強さや、講師と双方向の対話をしながら具体的な悩みを細かく解消し、前に進んでいる実感があります。

農業分野には知見が十分あるので、講義において既知の内容も多いのではないでしょうか?

そうですね。農業分野の講義、特に簡略な内容に関しては、既に知識があることが否めません。ただ、オンラインで毎週違う講師の話を聞けるのは非常に参考になりますし、平日働きながら実際に通うことは現実的ではないので非常に助かっています。また受講生は私のようにずっと食農分野に関わっている人ばかりではないですし、法律、政策、技術、市場、環境など、幅広い講義内容には満足しています。反面、幅広さゆえの課題もありますね。例えば、施設園芸や畜産のプロフェッショナルなど、分野ごとに深く学びたいニーズがあると思います。

基礎学習行程で全体的な知識を掴んでもらい、個別の深い知識は各自で深めてもらうような設計にしています。

理にかなっていると思います。講義で得られるものは知識だけでなく、様々な講師の方とのリレーション。そこを通じて、それぞれの新規企画の課題領域に詳しい方がいれば紹介してもらうなどのアクションも可能なので、まずは間口を広げることが重要だと思います。どこにどう繋げていくか、ですね。

1日のスケジュール

平日9:00~17:30は通常業務、4月から6月は週3日程度オンライン講義を受講しています。1コマの日は18:50~20:20、2コマの日は18:50~22:00の時間帯です。1~3コマの講義で1つの講座が完結し、終了時におおよそ1週間以内の期限でA4用紙1~2枚の課題が課されており、私の場合は業務の一環として受講しているため、通常業務の隙間時間や早朝・夕刻などに課題作成や予習に対応しています。
5月末から6月にかけては体力が必要ですね。

将来の夢

美味しい食べ物は人々の笑顔や安らぎの源。現場の経営状態を改善することで食料安全保障に貢献したい。

大学の講義で教授から「あなたにとって、どの食品が世の中からなくなったら一番困るか?」と聞かれました。その時私は「お米かな」と想像しましたが、その先生は「私なら畜産物だ。」と。「乳製品や肉は非常に嗜好性が高い。これがなくなると食事の楽しみや、食事が生み出す人とのつながりも減る。」という話をされました。そこから、「美味しいというだけでなく、それが明日への活力を生み出している。」と思うようになりました。
美味しい畜産物は人々の笑顔や安らぎ、人々の団らんを生み出しており、貴重な存在です。
そんな畜産物の生産現場は、現状様々な課題があり、厳しい経営状態に陥っています。現場の経営状態を改善することで少しでも離農を減少させ、畜産物の食料安全保障を確立することに貢献していきたいと思っています。
畜産は耕種と密接に関係することから、将来的には畜産に限らず、一次産業や食農バリューチェーン全体に貢献できればと考えています。

企業に在籍しながら事業の一環として学ぶことについて

外部から新しい知見を入れつつそのノウハウを自社の技術と組み合わせることで、専門性と客観性を反映した独自性のある企画を創りたい。

メリットとデメリットがあると思います。
新規事業企画はどの企業でも難しいもので社内の社員だけで挑戦する企業や外部のコンサルティング会社に依存するケースもあると思います。私は、外部から新しい知見を入れつつそのノウハウを自社の技術と組み合わせることで、専門性と客観性を反映した独自性のある企画を創りたいと思っています。イノベーター養成アカデミーはその新規事業企画のノウハウや食農分野の知見を学べる機会があり、企業に還元できるメリットがあります。デメリットとしては、企業の枠にプロジェクトが縛られることが挙げられます。例えば、会社の定款の制約を受け、自由過ぎる発想を持ち帰っても社内では実現が難しいかもしれません。組織に属するため制約があるのは事実ですが、既存事業の優れたアセットを活かして新しい事業の可能性を探っているところです。

今後の目標

まずはこの一年間で新規事業の実効性ある計画を立案することが目標です。アカデミーでの学びとリレーションを活かして、市場調査や分析、専門家とのディスカッションを交えながら有益な計画を立案し、連携パートナーとの協力体制まで築きたいと思っています。
また実効性の高い計画において、特にニーズがあるかどうかの判断が重要だと考えています。プロダクトアウトの発想で何かを作ってみたけど、実際には需要がなかったという話は国内でよく聞くことです。作る前や作り始める段階で検証できる要素は多くありますが、その検証方法を知らないからだと思います。本アカデミーでニーズ検証など先ほど述べた12の内容をしっかり学び、実効性のある計画にしていきたいです。

出願を検討されている方へのメッセージ

  • 私のように企業に在籍しながら勤務先とのシナジーを模索するケースと、個人として起業家を目指すケースがあると思いますが、いずれにせよ新規事業企画を立案するにあたっては、市場理解や業界課題を理解するために業界の内部まで精通している方へヒアリングする必要があります。事業の関連性が薄かったり、肩書がない状況では、“専門家にアポイントを取ること”自体が難しいため、本アカデミーのリレーションはおすすめです。
    第一期生を見ると、漠然とした起業アイデアの領域だけ定めて入学している方も多いため、具体的なプランを定めていない方でも挑戦できる環境があると思います。丁寧で分かりやすい講義の体制があるため、ハードルは高くありません。アグリビジネスでの起業や、新規事業の企画立案を考えられている方は、ぜひ入学を検討してほしいと思います。

    ※記事の内容はインタビュー当時のものです

オンデマンド学校説明動画のご案内

イノベーター養成アカデミーのカリキュラムや1年間の流れ、入試のご案内や募集要項など、オンライン説明会でお話ししている内容をいつでもご視聴いただけます。※オンライン説明会のお申し込みは こちら から
個別のご相談を希望される場合は、下記のお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。